心も身体もスマートに

キャリアビジョンとは、自分が理想とする将来の姿。ブログに書き留めた「私のキャリアビジョン」についてまとめました。

①続ける

 私にとって、「続ける(継続する)」ことは、大切にしている軸でもあります。そのことに改めて気付かされたのは、数ヶ月前にビジネスパートナーの早坂さんから、「荒川貴司のキャリアビジョンを書いてよ」と頼まれて、それを一つの図にまとめたときでした。


 通常、キャリアビジョンと言うと、数年後の理想像みたいなことを思い描くのでしょうが、その時頭の中に浮かんだイメージはこれだった。どちらかというと「キャリアアンカー」かもしれません。


※キャリアアンカー

キャリアアンカーを直訳すると、キャリアの錨(いかり)を意味します。錨とは、船を岸に固定するためのものであり、キャリアにおいて譲れない価値観や軸となる考え方を表す用語です。組織心理学者であるエドガー・シャイン博士が提唱したとされています。


そのイメージが、コチラ↓


私にとって「続ける(継続する)」ことは、自分の土台といっても過言ではありません。

この軸が安定していないと、軸だけに何をやってもブレている感じが否めない。


もちろん、続かないこと、続かなかったことは数え切れないほどたくさんある。

だからこそ、続けることが大事だと気付かされる。


小さなことでいい…

自分自身のことでいい…

何か一つでも、意識的に続ける…

成果は、その先にある。

②効率性・スピード・賢さ

以前勤めていた会社の先輩が、呑むたびにいつも口にしていた言葉があります。

「いかに、楽に(仕事を)するか?」…その言葉は、今でも私の頭に残っています。


当時は、”楽”をするという言葉の意味するところがよくわかりませんでした。もちろん”楽”といっても、仕事をサボるわけではありません。論語に「知・好・楽」という言葉がありますが、私が目指す「楽」は、この状態です。

※知・好・楽

【論語より】「知之者、不如好之者。好之者、不如楽之者」(これを知る者は、これを好む者に如かず、これを好む者は、これを楽しむ者に如かず)。略して「知・好・楽」(ち・こう・らく)

「何事をやるにしても、知ってるだけの人より好きである人が勝っており、更に好きだけの人より楽しむ人が勝っている。」


 私は、「楽」を実現するためには、「どうすれば、もっと早く、正確に、効率的にできるのか?」ということを常に考え続けることが大事だと考えています。つまり、生産性を向上させるための改善(行動)を続けることです。個人で完結する仕事であれば、知識や技能、技術をレベルアップさせることで生産性を向上することもできでしょう。また、社内で自分より「楽」している人にアドバイスを頂き、まずは、それを真似するのでもいいと思います。あと、他社の事例…、とても参考になります。社内ばかりに目を向けていると、視野が狭くなりがちです。


 可能な限り積極的に社外の方と交流することで、他社ではどんなやり方をしているのか?全ては教えてもらえないかもしれませんが、改善のヒントを見出すことができます。小さな改善の一つひとつの成功体験や失敗体験が、やがて血となり肉となり、ワーク・エンゲージメントを高めることにも繋がっていきます。

 ※ワーク・エンゲイジメントとは、「仕事に誇りややりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)の3つが揃った状態を指します。

   

 ただし、個人だけで完結できない仕事については、関係者を巻き込みながら、改善活動に協力して頂く必要があります。その改善が独りよがりになっていないか?全体最適になっているか?など関係者とすり合わせながら、PDCAサイクル(PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法のこと)を回していくことになるでしょう。

 最後に、屋号である「More Smart Career」の「Smart」には、「活発な、きびきびした、すばやい、(…に)きびきびして、機敏で、頭のよい、賢明な、気のきいた、抜けめのない、油断のならない」等の意味があります。今後も、自分自身の軸として「効率性・スピード・賢さ」= ”Smart”を磨いていきます。

③自己一致・等身大・純粋さ

 これについては、キャリアカウンセリングにおける基本的態度にかなり影響を受けています。

キャリアカウンセラー資格取得の際、真っ先に名前を聞くであろう「心理学者 カール・ロジャーズ」。カール・ロジャーズは、「カウンセラーの心構えとして3つの条件」を以下のように定義しています。


※カウンセリングの基本的態度

・話し手に安心感を持ってもらい、心を開いて相談してもらうために、聴き手にはカウンセラーの基本的態度(積極的に聴く態度)が求められる。

・来談者中心アプローチの提唱者であるロジャース(Rogers.C.R.)は、カウンセリングの基本的態度として、次の3つを示している。


① 純粋性(自己一致)

 聴き手自身が心理的に安定していて、ありのままの自分を受け入れていること。防衛的になったり、虚勢的にならず、率直な気持ちと態度で話し手に向き合えていること。

② 受容的態度

 批判や非難の目を向けることなく、受容的な態度で話し手に接すること。話し手をひとりの人間として大切に思いやること。

③ 共感的理解

 話し手がどのように感じているか、考えているかを、できる限り正確に知ろうとすること。カウンセラーが理解したことを相手に伝えること、表面的に同調や同感するのではなく、話し手の「ものの見方・考え方」にそって理解しようとすること。(出典:木村周『キャリア・コンサルティング 理論と実際』雇用問題研究会2010年39頁以下、209頁)


 まぁ、理論として理解はできますが、実践するとなるとかなり難しいです。できるかできないか、できてるかできてないかは…さておき私にとっては大切な考え方です。キャリアコンサルタントという肩書が仕事をするわけではありません。あくまでも、人と関わるのは自分自身。。。どんなに本を読んでも、資格を取得しても、参考にはなるが、自分自身が経験した以上のものは何も出てこないし、そもそも相手に伝わらない。もちろん日々の自己研鑽は大切だし、知識や技能を向上するための努力は必要なことです。


 ただ、必要以上に無理をしないというか、等身大でいいじゃん…って感じです。ありのままの自分で、自分らしく…

④その人のために何ができるか?

私のキャリアビジョン④は、「その人のために何ができるか?」私自身のモチベーションを高める要素かもしれません。


 私が、どんな時にモチベーションが高いのか?を考えてみると...仕事でもプライベートでも、「信頼関係」がしっかりと築けている方と活動している場面です。キャリアカウンセリングの場面において、「ラポール形成」がクライエント(相談者)との関わりで欠かせない重要な要素だと学びますが、これはカウンセリングに限ったことではありません。

ラポールを構築することで、良好な人間関係を築き、お互いに心理的な安全性を感じることができます。そうした信頼関係があるからこそ、「その人のために何ができるか?」と思いが湧き上がってくるのでしょう。

※ラポール(rapport)とは、心理学の用語で、「信頼関係」という意味で使われます。


 また、キャリアカウンセリングでは、以下のようなラポールを構築するための手法やテクニックを学びます。

<ラポールの構築するための手法(例)>

・ミラーリング:相手のしぐさや姿勢を、鏡に映しているように真似る手法

・バックトラッキング:相手の言った言葉を繰り返すテクニック

・マッチング:動作以外の聴覚情報(音やトーン、テンポ、呼吸など)を合わせてコミュニケーションを取る手法

・キャリブレーション:相手の心理状態を言葉以外のサインで認識するテクニック


信頼関係を築くためには時間がかかります。上記のような手法とかではなく、まずは、自分自身が相手の方を尊重し、また、一貫性を持ちながら(頑固にならない程度に…(ノ∀`)アチャー)、相手から信頼されるようにコツコツと地道に行動していきます!

⑤プランド・ハップンスタンス

私のキャリアビジョンの最後は、図の赤い丸についてです。


1つ目の意図は、4つのそれぞれの項目が関連しあっているということです。

 真ん中のビジョンを実現するためには、それぞれの関係がバランス良く配置されている…つまり、きれいな円を描けていることが望ましいですね。現実的に目に見える線(円)ではないので、感覚的な話になってしまいますが、歪な円になってしまっている時は、何かがおざなりになっている。そんな時は、仕事でトラブルがあったり、過度なストレスを抱えてしまったり、人間不信に陥ったりと、負の循環に陥ってしまう。そうならないために、私はできる限り毎朝同じルーティンを続けるようにしています。毎日続けることで良い習慣が身につくこともありますし、同じルーティンをしているからこそ、小さな自分自身の変化にも気付くことできるからです。


2つ目の意図は、赤い丸を拡げることが、自分自身の成長に繋がるということです。

 赤い丸の内側は、これまでのキャリアで培ったスキルや能力、経験…つまり「できること」。赤い丸の外側は、未知の領域、つまり「できるかもしれないこと(可能性)」。

※自分なりのイメージです。

 この赤い丸を拡げるために、私が参考にしているのが、キャリアカウンセリングで学んだ「プランド・ハプンスタンス理論」です。

※プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)とは、「計画された偶然」や「計画的偶発性理論」などと訳され、 1999年にスタンフォード大学の教育学と心理学の教授であるクランボルツ教授によって提唱されました。プランド・ハップンスタンスでは、偶発性を受け入れると同時に、自ら偶然の出来事を引き寄せるアプローチが重要としています。実践ポイントとして、次の五つの行動指針が挙げられています。

1.好奇心

 興味関心のある分野にとどまらず、普段から視野を広げるよう努めること。アンテナを鋭敏にしておくことで、新しいことに挑戦したい意欲が湧くこともあります。

2.持続性

 失敗してもあきらめず向き合うこと。困難を避けたり苦手意識を持ったりすると、その先にある可能性が閉ざされてしまうことがあります。

3.柔軟性

 こだわりや理想にとらわれて、行動や思考を狭めないこと。常にフレキシブルな姿勢で臨機応変な対応を心がけます。

4.楽観性

 失敗や困難もポジティブに捉えること。何が起きても良い方向に行くと信じる態度は、自分自身をプラスの方向に運びます。

5.冒険心

 リスクを恐れず行動すること。不確実性の高い環境において失敗はつきものです。ある程度のリスクは引き受ける心構えが大切です。

 キャリアカウンセリングで学んだ時も、今でも、すごく好きな理論です。とにかくやってみなよ!みたいな…


 当時見たクランボルツ教授のビデオで覚えているのは、バスケットボールの映像です。記憶があいまいですが、シュートを打たなければゴールは入らない…ような内容だったと思います。ネットで調べてみたら、コーチがこんなことを選手に話していたようです!

「シュートをすれば、外すこともあるが、入ることもある。 でも、シュートを打たなければ、絶対に得点は入らない。だから、得点が欲しければ、シュートを打つしかない。」


 さて、赤い丸の外側は、未知の領域です(勝手に定義してますが…)。そこに足を踏み入れることは、不安だし、失敗するかもしれないというリスクを伴うかもしれません。それでも、まずは挑戦してみようというスタンス(プランド・ハップンスタンス)が自分の可能性を拡げることにつながります。未知の領域に臆せず、偶然を好機(チャンス)につなげるためには、好奇心を持って向き合う自分自身の姿勢や行動(冒険心)が大事ですね。


 そして、偶然を偶然で見過ごさないために、常にアンテナを張り巡らせて、それをキャッチできるよう、もっともっと視野を広げていかないと…です。

⑥学ぶ=真似る

「学ぶ=真似る」と聞きますが、本当にその通りだなぁと思います。考えてみれば、生まれたときから親を真似て言葉を覚えてたりするし…


職人の世界では「見て盗む」「見て学ぶ」ような、世界観が今もあるような気がしますが、仕事でもスポーツでも、料理や趣味でも、上達するきっかけとしては、まずは真似ることが近道だったりするような気がします。見たり、聞いたり、本で読んだり、教えてもらったことを、型通りまずは真似る。形から入って、真似てみて、やっているうちに自分なりにアレンジして…


できなかったことが、できるようになったり、凄いねって言われたり、感謝されたり、認められたり、頑張って続けて、成果が出ると、嬉しいですよね!



私が中学生の時、成績がクラスで常に1位、2位の友達がいました。同じ、バレー部だったこともあり、仲良くしていました。どうしてそんなに成績がいいのか?

頭がいいから…といえば、そうなのですが(笑)どんな勉強方法なのかを聞いてみました。

その方法は、しっかりとスケジュールを立てることでした。テストの日から遡って、計画的に勉強をする。ただそれだけ…

当時は、よくわかりませんでしたが、とにかくやっていようということで、その方法を真似してみました。


すぐに結果はでないし、計画通りには進まない。寝ちゃうし…

でも、諦めずに続けていたら、身体に馴染んできて、その勉強法が習慣になりました。そして、真ん中あたりだった成績が、クラス3位まで上昇!


嬉しかったなぁ(笑)


やればできるんだって…自信にもつながりました。そこからは、その勉強法でかなりいい成績を維持できました。


 さて、今はインターネットを検索すれば、様々な情報が溢れています。動画もたくさんあるし、丁寧に解説もしてる。情報を正しく取捨選択する必要(責任)はありますが、何か新しいことにチャレンジしたり、もっと上手になりたいと思ったり、憧れの人に近づきたい、もっと知識を深めたい…と思えば、お手本になるような情報は手に入る。どうしたらいいかわからに時は、まずは調べればいい。

 パクる…というようなマイナスなイメージではなく、真似する対象を正しく選び、基礎を真似る。まずは、基礎を固め、それから、自分なりの型を創り上げていく。行動して、それから考えればいい…